Purewhite Devil
リリスは私を見下ろし口を開いた。



「今までの事謝らないわよ」



さっきまでのしおらしさは何処にいったわけ?


まぁ別にいいけど。


私はため息を吐いて地面を見つめた。



「そんなの最初から期待してないから別にいいよ」

「でもお礼は言うわ。ありがとうーー」

「えっ?」



顔を上げた時には既にリリスが飛び立った後で、彼女の背中しか見えなかった。


根っから悪い人、でもないのかな?



『お前はいつまでそうしているつもりだ』

「へ?あっ、そうだね」



立ち上がろうと地面に手を着くが、体が持ち上がらない。


あれ?


可笑しいなーー。


何度試してみても同じだった。


それになんだか目が霞む。



「うわっ!?」

『グズグズするな』



いやいやいや!!


だからっていきなりそんなっ!!


背中と膝裏に回された腕に妙にドキドキした。


まさかこの人にお姫様抱っこされる日がこようとはーー。


これこそ信じられない。



『しっかり掴まっていろ』



そう言われましても、どこに?


手の位置に困っていると、急にルシファーが飛び立ち落ちそうになった私は、とっさにルシファーの首に腕を回してしまった。





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