Purewhite Devil
今思えば、ガブリエルのいる前でなんて事しちゃったんだろう。


ルシファーが自分以外の女に優しい言葉掛けてるとこなんて見たくないよね。



「薫君の体と魂はちゃんと無事なの?」

『契約は守る』



なんてぶっきらぼうな答え。


そんなぶっきらぼうな男でも、顔は悔しいくらい美しくてなんだか腹が立った。



『さっきの話だがーー』

「さっきの話?」



何?


ルシファーが口ごもるなんて珍しい。


もしかしてーー。



「ガブリエルの事?」

『ーーあぁ』



何よ、何よっ。


恋愛には無関心なふりしときながらガブリエルの事はやっぱり別なんじゃない。


いつも馬鹿にされている分からかってやろうと思ったが、出来なかった。


ルシファーの横顔があまりにも悲しそうに見えたからーー。



「ガブリエルの何が聞きたいの?」

『あいつも地獄に堕ちようとしたのか?』

「そうだよ。貴方の後を追って地獄に堕ちようとしたけど、ミカエルさんに止められたの」

『そうかーー』



それだけガブリエルは貴方の事が好きで堪らなかったんだよ?


その気持ち、ちゃんと全部分かってる?





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