甘くて切なくて、愛おしくて


手を伸ばせば、届くかもしれない。


想いを告げれば、彼も答えてくれるかもしれない。



でも


その踏み出す勇気をあたしは


持てない――――




「だから言ったでしょ?俺と付き合った方がいいって」



突然の声に驚いて振り返ると佐野さんがにこやかな笑顔であたしを見る。


「さ、のさん..」


「加賀見さんきっと後悔するよ、あいつと付き合ったら。だから俺にしたらいいのに」


佐野さんの発言に、周りにいた女子社員が一斉にあたし達を見る。


こ、こわいんですけど..


「ちょっと、佐野さん、今ここでそれを言わなくてもいいじゃないですか!」

美香子が代わりに怒ってくれるけれど佐野さんはしらっとした顔で続ける。


「俺はいつでも準備出来てるよ。後は加賀見さん次第だよ」




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