甘くて切なくて、愛おしくて


低学年のプログラムがアナウンスで鳴り響く。


沢城さんがシートから立ち上がってグラウンドに向かって歩き出す。それにつられてあたしも一緒に立ち上がって沢城さんの後に続いた。



「低学年は競技が少ないんですね」


「あぁ、ま、運動会なんてそんなもんだろ、どっちかっつーと高学年の為にあるようなモンだからな」


「そうなんですか..」


「お前、ユウキに誘われたんだってな」


「ハイ、来てほしいって..」


「アイツ、お前の事よほど気に入ってんだな」



少し困ったように笑う沢城さんにあたしも小さく笑って返した。


あたしが関わったら面白くないのかな。


「別にお前が嫌とかそういうんじゃねぇんだよ、ただアイツが他人に心を開いたのが少しおかしくてな」


あたしの思った事が分かったのか沢城さんがそう言って走りだす子供達の方に視線を向けた。





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