甘くて切なくて、愛おしくて


それからの事はほとんど覚えていなくて。



気が付くと家のベッドの上で寝ていた。


重たい体をなんとか起こして洗面所に行くとめちゃくちゃな顔をしている自分を見て驚く。


「やだ、酷い顔」


昨日化粧を落とさずにそのまま寝たせいか、目元は真っ黒で、瞳は充血してる。
それだけで相当泣いたんだった事が分かる。


そっか、あたし..振られたんだ。


そう思うと自然と涙が溢れてくる。



「っく、ひっく、さ、わしろ、さんっ!!」



名前を呼んだって仕方がないのに。

でもそれしか出来なくて。


泣き崩れながら


声が掠れるまで、何度も何度も沢城さんの名前を呼び続けた。





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