甘くて切なくて、愛おしくて
視線は外したままだけれども、確かに聞こえたその声に、あたしの中の何かもぷつんと切れた。
「あたしの方こそ..ごめんなさい」
本当は一番最初に言うべきだったのに。
「ごめ、ごめん、ごめんね..」
一度緩んだ涙腺はぽたぽたと涙を地面に落としていく。
子供の前で情けない、でも止められなかった。
「なっ!お前、泣いてんのかよ」
「だ、だって...」
「もう、怒ってないからな!だから泣くな!!」
「でも、でも..」
彼は大きく息を吐いて立ち上がると、一枚のハンカチをあたしに差しだしてくれた。
「ほら、ふけよ!!」
どうしようか戸惑ったあたしを見てイライラしたのかあーもう!と叫んで
無理矢理ハンカチを押しつけてきた。
そのハンカチをかりて涙を拭くと、ふんわりと柔軟剤の香がした。