アパートに帰ろう
「僕のことはボスと呼んでくれ。みんなそう呼んでくれている。君は？」

「アナドラです。アンナと呼んでください」

「わかった。じゃあアンナ。今日から君は僕たちの仲間だ。誰か教育係をつけなきゃな」



ボスがそう言ったとき、勢いよく居間の扉があいた。



「ボス。片付けてきたぜ！」



短いオリーブ色の髪に、薄い茶色の鋭い目。浅黒い肌。

綺麗な男だ。だが服に血が飛び散っている。



「あぁ君か。調度よかった。新しい仲間の教育係をしてくれないかい？」

「はあ？」



男が顔をしかめる。そして、私の姿を確認すると、目を細めた。



「ボス。こんなガキをいれるのか？」

「君だって、これくらいの歳で入ってきただろう。この世界は歳なんか関係ない。嫌だからって、いちゃもんをつけないでくれ」

「チッ。わかったよ。何すりゃいーんだ？」

「このビルの中の案内と、彼女の部屋の準備の手伝い、あとはまあ組織の概要を教えてあげてくれ」



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表紙・目次

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