アパートに帰ろう

赤ジャージの男

「アンナ、いるか?」
「麻武さん!」



朝、ノックの音で目を覚ます。扉を開けると、麻武さんが立っていた。

ここ数日、私の面倒を見てくれている人だ。



組織のいろんな人と話してわかったのだが、この組織は国を脅かす危険因子の処分を行っているらしい。


要人護衛、暗殺、スパイ、誘拐、盗み。国から言われればなんでもやる。つまり、政府公認の犯罪組織ということだ。



今、目の前に立っている麻武さんは、ボスの片腕的な存在らしい。

そんな偉い人が教育係をしてくれたなんて、申し訳ないけど嬉しかった。



「麻武さん。こんな朝早くからどうしたんですか?」

「しばらく長期の仕事に行くことになった」

「長期のですか?」

「あぁ、まあ2週間だけの予定だけどな。しばらくオマエには会えなくなる」



そう言って、麻武さんは白い紙きれを取り出した。



「ボスからの指令だ。初任務だぜ。よかったな」

「え?」

「もう研修は終りってことだろ、たぶん。任務の詳しい内容はボスに聞きゃわかる。じゃあな、健闘を祈る」



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