この場所で。




頬に痛みを感じるよりも先にその場に倒れた。


そうだよな、仕方ないよな。


覚悟はしてた。




落ちた眼鏡も拾わずに、口の切れた箇所をなぞる。






まだ、こんなんじゃ足りない。




見上げると、雅人は無言のまま俺を見据えていた。



肩で息をしている。


怒りを抑えているようだ。






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