この場所で。




「………なんで、気付かなかったんだろ」




しばらくの沈黙を先に破ったのは、雅人の方。


自分を責めるように呟いた。




「でもお前がそんな奴だとは思わなかった」



ハッキリとそう言い、座り込んだままの俺の胸ぐらをつかんでまた殴る。



「近くにいたのにな」



バキッ



「………気にしてたつもりだったのに」



バキッ



「あの時、無理にでも聞き出せばよかった」



バキッ



「………」



バキッ











< 52 / 59 >

この作品をシェア

pagetop