“俺の女”
美紀さんが持ってきてくれた
紅茶とお菓子に手を伸ばす
紅茶‥美紀さんが
入れてくれたのかな〜
‥おいしい。
そんな感想をよそに
ふと視線を感じて
その方を見る
「‥ん?」
その視線はヒロさんからで
問いかけると
目を逸らされた
‥なに? 今の。
するとまた視線をあたしに戻し
ヒロさんは真剣な顔をした
「ヒロさん?」
「引っ越し早まるのは
確実だと思う。
だから、それまで
いっぱい会おうな」
その言葉にあたしは
何も言えず
目には涙が溜まる
嬉しい
すごく嬉しい
初めてヒロさんから
"いっぱい会おうな"って
言われたよ
あとわずかな時間を
あたしのために使ってくれるんだね
だから今日も
朝早くから来てくれて
ゲームセンターも
初めて二人で行った
色んな思い出を
ヒロさんは作ろうと
してくれたんだ
「ありがとう‥」
涙いっぱいになった目を
一生懸命に我慢しながら
ヒロさんを見た
口癖じゃないよ
この"ありがとう"は
心から本当に感謝してる
ヒロさんが大好きで
そんなあたしを
大切にしてくれてる
ヒロさんがもっと大好きで
何度言っても足りないくらい
ヒロさんには感謝してるんだ