夢中度100%の恋心(短)
さっきまで触れてたくせに、柔らかい皮膚にドキドキする。
「嘘?」
そんな俺の心情を知るはずもないトモは、ヒョイと俺の手から逃れ、「鏡見てくる」と言うと、部屋を出て行った。
「……」
行く当てのなくなった手は、寂しそうに戻す。
(……振り回されてんなー、俺)
最近、来てなかったトモの部屋を見回す。
女の子らしいぬいぐるみなんかが1つも置いてなく、落ち着いた色でまとめられた部屋は、どこか落ち着く。
トモらしいっちゃトモらしいけど。