恋愛の条件
「五十嵐さんやらし~」

いつの間に、いやいつからいたのだろうか、五十嵐のすぐ横に佐野が立っていた。

奈央の後姿をじっと見つめていた五十嵐に非難めいた視線を送る。

「いや、その……何か、今日の広瀬さん、すごくね?」

「雰囲気違いますよね~仕事バリバリこなしているのに色っぽいというか……」

「すげぇいい匂いするし」

それ、セクハラですよ?と佐野が睨む。

「まぁ、広瀬さんにグラっとくるの、すごくわかりますけど」

奈央の後ろ姿を見つめ、佐野は、はぁ、と溜息をつく。

「佐野さん?」

「だって、あんな素敵で仕事がテキパキこなせる人、絶対に憧れちゃう!」

「うん、男の俺でも憧れるな……仕事ができるだけじゃなく、気遣いもできるしね」



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