恋愛の条件
奈央が一人ウーロン茶を飲みながら考え事をしていると、片桐がビール瓶とグラスを持って彼女の傍に座った。

「片桐さん……」

「何一人片隅でウーロン茶飲んでんの?」

少し酔いが回っているのだろうか、普段冷静で表情を表さない片桐が機嫌良さそうに奈央に話かけた。

「今回はおめでとうございます。流石ですね?」

「広瀬さんのおかげでもあるわけだから」

「私は別に…言われた通りのことをしただけですから」

「まっ、そんなことはどうでもいいか?」


(どうでもいいってこの人…)


いつもと雰囲気が違う片桐に奈央は戸惑いの色を隠せない。

「飲むぞ!」

「はい。あっ、少しだけで……」

グラスに注がれたビールを奈央は一口だけ啜り、遠慮した。

「何で?」

「私、あまり飲めないんです」

「へぇ、意外……」

片桐は目を細めて笑う。

「よく言われます」

「じゃあ、飲ませて酔わせよう♪」

「本当にダメなんですって……」

「今日くらいはいいだろ?」


(うっ…この人も強引)


「プッ……」

奈央の顔を見つめていた片桐が急に噴出した。



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