恋愛の条件
(ダメだわ……。お酒が回ってきた?思考回路が変!)


一気なんてするんじゃなかったと奈央は後悔した。

「広瀬さんてさぁ、いつもこんな感じなの?」

「何がですか?」

奈央は努めて冷静に振る舞う。

「いつも頑張ってますってオーラ出して他人を寄せつけない感じ?」

「なっ…それは片桐さんでしょう!」

「俺?」

「はい、私なんて片桐さんの氷点下温度に比べたら可愛いもんです!」

「氷点下って……」

酔った勢いだ、何でも言ってやる、と奈央は続けた。

「他人を寄せつけないっていうより、除外していますよ!」

「言うなぁ……」

「少しは愛想よくしたらどうです?みんな怖がってますよ?」

「俺は自然とそうなるだけで別に故意にしているわけじゃない。それに、傍にいてくれるのは一人でいい」

片桐はそう言って奈央の頬にそっと触れた。


(ドキン!!な、何……?)


「顔赤いな……大分酔った?」

「い、いえ……」

「広瀬さんって一生懸命鎧かぶってるけど、実際そうじゃないだろ?」

「そんなことないです……」

「誰か甘えられる人いないの?」

いつの間にか片桐の身体が奈央に密着し、顔には似合わない男らしい指で奈央のキレイに手入れされた指の上をそっと撫ぞった。


(ヤバイ……。もしかして、くどかれてる?)


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