恋愛の条件
「奈~央~?お~い?」

「どうしたんですか、奈央先輩?」

「ダメだ……完全にトリップ中」

考え込む奈央の額をつんと沙希がつつく。

奈央は、急に現実に戻され、白昼堂々セックスのことを考えていた自分に頬が赤くなる。

「全く。本当の奈央はこんなに可愛いのにねぇ……」

「な、何よ……」

「山下のことは忘れなって?性癖が合わないんじゃ性がないじゃん?」

「そうですよ、奈央先輩。新しい部署でドSのエリート見つけてください!」

「だから二人とも、そんなこと言ってないでしょうっ!?」

もう拉致があかない、と昼食には殆ど手をつけず、奈央は二人を残し足早に社員食堂を後にした。


< 24 / 385 >

この作品をシェア

pagetop