恋愛の条件
唇が離れ、片桐の腕の中で呼吸を整える。

片桐の腕が優しく奈央の背中を包み、その温かさに心がまたジンとなる。

「どうやらあんたは俺の理性を飛ばさせる何かがあるらしいな」

「えっ……」

顔を見上げると、目を細めて奈央を見つめる優しい顔。

「このままここで押し倒しそうになる」

「//////」


(こ、ここで?)


言われたことを想像し、いいかも、なんて期待する自分がいる。

「タクシーを呼んでもらおう。家は杉並区だったよな?」

「えっ?」

期待に妄想していたところに、予想外のことばが降ってくる。

「クス、俺は焦ってないって言っただろ?まだ他の男のことを想っている女を抱くほど、俺もバカじゃない」

「片桐さん……」

「広瀬さんの気持ちの整理がついてからでいい」

優しい彼の声が、逆に誘惑の囁きに聞える。


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