恋愛の条件
「ニューヨーク支社への異動のことにしても、片桐のことも、ちゃんと結論出してから行動しなさいよ?」

「うん……」


奈央の中で結論はもう出ていた。

ただ、それをどう言葉に現すか迷っているだけだ。

一刻前は、急に転勤なんて話しが持ち上がったので修一に対してあんな態度を取ってしまったが、奈央の本心では、嬉しかった。

山内課長に自分をちゃんと評価してもらえたことが嬉しかったのだ。

今まで一生懸命頑張ってきたことが認められた気がした。

そして、修一がちゃんと自分のことを考えてくれてたことが嬉しかった。


(ホント……ずるい男よね……)


何にも考えずに自分勝手で俺様なのかと思ったら、結局一番に奈央のことを考えててくれる。

気持ちを受け止めて、そして背中を押してくれる。


(あんな男……
 
 好きにならずにいられない……

 悔しいけど、認めるわよ!修以外の男なんて考えられないって)


「奈~央?行くわよ?」

「うん♪」

奈央は春の青空の下、今までにない幸せな気分で親友と二人肩を寄り添いながら前を進んだ。


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