恋愛の条件
食事が終わり、奈央がコーヒーを飲んでいると、キッチンで洗物をする音が聞えてきた。

「修、私がするからいいよ」

「何で?奈央、ご飯作ってくれたじゃん?」

修一は慣れた手つきで、早々と洗物を済ませていく。

「でも、修疲れたでしょ?」

「奈央も働いてただろ?」

「そうだけど……」

「奈央って、以外に考え方古い?」

「えっ?」

「俺、自分のことは自分でするし、家事もちゃんと手伝うよ?」

そう言えば、今朝も朝ごはんを作ってくれたのは修一だった。

修一の以外な一面を知り、奈央は呆然とする。

もしかして自分はかなりいい男と結婚するのではないのだろうか。

少し試したくなった。

「ねぇ、でも子供とかできたらむこうで仕事との両立って大変だし、流石に仕事は無理よね?」

「何で?俺子供好きだし、ちゃんと見るよ?あっちには会社のビル自体に保育施設があって見てもらえるし、子供を連れていくこともできるしな?あぁ、そうそう、奥さんがすぐに復帰して旦那が産休とることもできるんだぜ?俺が産休取ってもいいなぁ♪」

「そ、そうなの?」

「日本だけだって、こんな女の人が働きにくい環境なのは……」

驚いているのは、アメリカの女性支援システムにではない。

修一の考え方にだ。

一見俺様で亭主関白に見えたが、以外や以外、理想の旦那様ではないのか?


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