恋愛の条件
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息が苦しくて堪らない。喉も焼け付くように痛い。

「はぁ……んん……」

乾いた口を微かに開き酸素を求めるが、肺にちゃんと取り込めているのだろうか、胸の息苦しさは治らない。

奈央が鉛のように重たい瞼を開ければ、見慣れない天井がぼんやりと視界に入ってくる。

身体を起こそうと頭を上げようとしたとき、こめかみにズキッと激痛が走った。

「……っ」

とてもじゃない、起きれそうにないとまた瞼を閉じたとき、額に手がそえられた。

(あぁ、冷たくて気持ちいい)

その手は慈しむように奈央の額から頬へと移動する。

その心地良さに、懐かしさに、離さないでと、つい手を追ってしまう。

「……奈央」

その声は知っている。

低く響くバリトンは、奈央の耳朶に優しく響く。

あぁ、また泣きたくなってしまう……

「……修」

やっとのことで愛しい人の名前を呼ぶ。擦れて声がうまく出ない。

名前を呼べば、切なさが胸に広がる。



これは夢だろうか?

寂しすぎて自分が見せている夢?



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