恋愛の条件
夢の中の修一は、覆いかぶさる格好で優しくキスをしてくれる。

それはいつもの激しいキスとは異なり、どこか慈愛がこもった口づけだった。

そして、奈央の濡れそぼった口角や鼻先、瞼やこめかみに修一はなんども優しくキスを繰り返す。


(あぁ、これはやっぱり夢だ)


喧嘩の後に修一がこんな優しいキスをするなんてありえない。


(これは私が見せている願望?)


唇の柔らかさが気持ちよくて、ぼぉっとしていると、頬を撫でていた彼の指が首筋から肩へと下りていく。

その感覚にブルッと身体が震えた。

奈央は、その時初めて自分が裸なことに気付く。

あぁ、だから体温がこんなに直に伝わるのだ、などと妙に納得してしまう。

どうして裸なのかも分からないが、夢の中だから、と自分に言い聞かせ、修一に身体を委ねた。



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