恋愛の条件
「修、それでいつ日本に来たの?」

奈央が日本に着いたのは2日前。とうこうとは、すぐに追いかけて来てくれたということになる。

「奈央が発った次の日のうちに俺もチケットを取って日本に来た。ビジネスしか空いてなくて痛い出費だったぞ!?」

そう言って奈央の頬を軽く抓る。

「い、痛い!」

潤んだ瞳で見つめれば、修一はふっと表情を和らげた。

「まぁ、奈央を失うことに比べれば安いもんだけどな」

悩殺的な微笑を浮かべてそんな甘いことを言われるものだから、単純な奈央の脳みそは、どうして修一が彼女を日本にまで追いかけてくるハメになったのかという、根本的なこともすっかり消去してしまう。

「他に何か聞きたいことは?」

う~ん、と頭をひねる。

何だかもうどうでもいい気がするのは、彼女の単純で楽天的な性格のせいだろうか。

このたくましい腕に抱かれ、愛おしそうに奈央の髪をすかれる。そんな些細なことに、ぽかぽか胸が温まるような幸せを感じる。

「あっ!」

修一の腕の中で、思い立ったように顔を上げる。

「どうした?」

「昨日、私たちエッチ、したのよね?」

「お前は……聞きたいことってそんなことかよ」

修一は呆れた顔で奈央を見遣る。

「だって……」

昨夜の修一はいつもと違って、すごく優しくて甘くてトロトロで、いやいつも奈央をトロトロに骨抜きにするのだが、今までにない甘さで奈央を蕩けさせた。

だから、夢じゃないことをちゃんと確かめたかった。



< 370 / 385 >

この作品をシェア

pagetop