恋愛の条件
あれだけ謝らないと言っていたのに。

強気で来られたら思いっきり反発するところだが、あんな風に自分を責めている修一の姿を見ていると、胸が切なくなってしまう。

本当、飴と鞭の飴に弱い。

そして、余計なひと言が修一のスウィッチを押したことにも気づいていない。

「修、大好き!愛しているの」

組み敷かれている状況で、瞳を潤ませてそんなことを言うものだから----

「奈央、俺も愛している。俺が奈央のことを性欲処理の道具って考えてないこと、証明しないとな」

そう意地悪く笑う修一に、初めて自分の失言に気付かされる。

「ごめんなさい」と口を開こうとしたとき、修一の甘く焦れったいキスによてそれは塞がれた。

昨夜の甘い記憶が蘇るが、奈央はこの後、スウィッチの入った修一にこれでもかと言わんばかりに焦らされ、「ごめんなさい、もう許して」を連呼する。

そして彼の愛情の深さを身を持って知ることになった。


その日は、奈央はパークハイアットのスウィートのベッドのスプリング良さを嫌と言うほど満喫し、予定していた家族とのランチをすっぽかしてしまった。




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