恋愛の条件
「腰、大丈夫なの?」

「こ、腰?だ、大丈夫よ」

真面目な話をしていたところに、いきなりそんな質問をされるものだから、ウーロン茶を吹き出しそうになる。

「携帯にも出られないくらいだったんでしょ?どれだけお仕置きされたのよ」 

「お、お仕置きなんて……携帯がどこにあるか分からなかったのよ」

「ベッドに縛りつけられて動けなかっただけでしょ?」

コラーゲンジュレのかかった焼茄子を丸ごと頬張りながら、沙希は普通にそんなことを聞いてくる。

「な、何そんな冗談……」

いや、それはあながち冗談でもない、と奈央は顔を赤らめる。

つい数時間前のことを思い出し、奈央の顔がトロンとなる。

スウィッチの入った修一は、チェックアウトの時間になっても奈央をベッドから離してくれなかった。

パークハイアットのスィートのすばらしく上質な絨毯の上に足をおろしたのは、日が傾きかけた頃。

ホテルのロビーで気付いたが、朝の着信は妹からだった。

何度携帯にかけても奈央が中々出ないので、心配した彼女が沙希に電話をかけたらしい。

「あんたの妹には、修一と24時間コースでヤッてるから、ランチなんて無理よって言っておいたから」

「沙希、何てこと言うのよっ!!」

「違うの?」

「…………うっ」

それも違わないことはない。

いや、24時間コースの方ではなく-----

ランチの約束をしていた時間は、修一に組み敷かれ、喘がされ、それどころではなかった。



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