恋愛の条件
「あ、あの……」

それまで真っ赤な顔で二人の会話を聞いていた佐野がおそるおそる口を開く。

「どうしたの、佐野ちゃん?」

「昨日は、私も取り乱したりしてすみませんでした。先に帰ってしまいましたし……」

佐野は、視線を逸らして恥ずかしそうに謝罪する。

「佐野さん、昨日は私と沙希が悪かったわ。本当にごめんね?」

「いえ、そんな」

「そうよね、そのおかげで佐野ちゃんもあの後山下にトロトロに骨抜きにされたんでしょ?まぁ、あいつは修一みたいに絶倫って感じじゃないから二回がせいぜいでしょ?明日の仕事に響くから、とか言ってそ~」

何でわかるんですか?と言わんばかりの佐野の驚いた表情に、沙希と奈央が思わず噴き出す。

「もうっ!!か、からかわないでください!そ、そんなんじゃありませんから!」

佐野は、目を潤ませ、真っ赤な表情で狼狽える。

昨夜何があったのか一目瞭然だ。しかも、ぐるぐる巻きにしてあるスカーフをしきりに気にしていては、突っ込んでくれと言っているようなもの。

「佐野ちゃん、山下にキスマークなんて子供じみたものつけるのはやめろって言っておきなさい。鍋食べるのに邪魔でしょ?」

「!!!ど、どうしてわかった……いえ、キスマークだなんて////」

佐野はしどろもどろに弁解するが、そのスカーフは沙希の手によってしゅるっと外される。

「やっ////一条さん返して……」

佐野は、真っ赤な顔で首筋を抑えた。



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