恋愛の条件
「しないわね。キスマークなんてつけられたことないもの。所有欲とかあんまりないんじゃないかしら?」

「そ、そうなの。片桐さんって以外に淡泊?」

「絶倫具合は修一と張ってんじゃない?あのエロオヤジ、ほっとくとずっと突っ込んでくるもの」

「さ、沙希!言葉を選んでっ!」

本当にパテーションで区切ってあって良かった、と心から安堵する。

「あぁ、そうだ!私の方がよく噛むかも……」

「「か、噛む?」」

奈央と佐野、二人はポカンと口をあけ、箸を落とす。

「そう。片桐の肩とか腕に噛み跡残っているんじゃない?」

「ねぇ、聞いていい?キスマークじゃないのよね?」

「何でキスマークなんて残さなきゃいけないのよ?バカバカしい。セックスの途中に無意識に噛んでるみたい」

「ひ、広瀬さん、私にはこれ以上ムリです」

佐野は顔を覆い隠して俯いてしまった。

「佐野ちゃん、何真っ赤になってんの~ 奈央も間抜けな顔してないで食べなよ」

そうケラケラと笑いながらビールを飲み干す沙希に何も言う言葉が見つからない。

沙希に聞いた自分がバカだった。

彼女の神経も性癖も普通とは違うのだ、そう改めて悟った奈央だった。



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