恋愛の条件
「明日からノースアメリカとイーストアジアを広瀬の担当にするからな?佐野は広瀬の補佐に回ってもらう」

「そんな無茶な……エリアが全然ちがうじゃないっ!?」

「じゃぁ、今度から中途半端なことをするな!?各担当がしっかりしてもらわないと困る。佐野にはイーストアジアを任せたんだ。俺たちが分析し、企画する資料を元に技術班が動くんだ!」


(私ったら……そんなことも……)


「お前も人のこと手伝っている余裕なんてないぞ?サイバーマイクロ社が社内のPCを総入れ替えするのは知っているな?開発工程のプレゼンが控えているからな。この取引は絶対に外せない。気を引き締めろよ?」

「はい……」

「悪かったな、呼びとめて」

業務的に上司として淡々と話す修一に、当然のことなのに

呆れられた、そう感じた。

まだオフィスには数人残業で残っている社員がいるから……

そんなことは分かっていたが、素っ気無く言い捨てる修一に、心がぎゅっと締め付けられたような、そんな苦しさに胸がつまり、奈央は苦く息を吐き出した。

「以後気をつけます。今日はお先に失礼します……」

視線を足元に落としたまま頭を軽く下げ、奈央はオフィスを後にした。

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