出会えてよかった[短]
said AKEMI


おまわりはすべて話終えて、再び葵の両親の方を向いた。


「すみません。」


さっきからそれしか言わないおまわりが痛々しくて、見てられなかった。


「私…あなたに感謝してるの」

「…。」


「あなたに出会ってから、あの子はよく笑うようになった。あなただけじゃない。そこにいる明美ちゃんや、美紀ちゃんの話もよく聞くようになったわ。」

おばさんが近づいてくる。


「二人ともありがとう。あの子の支えになってくれて。」


何て言えば良いのかわからなかった。


「私は何も…。」


しんと辺りが静まり返って、手術室のランプが消えた。


中から医者が出てくる。


「先生!!葵は…。」


「出来ることはすべてしました…けれど、弾の当たり所が悪くて…意識が戻るかどうか。」


嘘でしょ!?


葵が死んじゃう。


おまわりは拳に力を入れて、立ち尽くす。


肩が小刻みに震えている。


泣いてる。


おまわりは急に振り替えって、何かを決意したかのように言った。


「おじさん、おばさん…もし葵の目が覚めたら、葵を俺にください。俺に…一生葵を幸せにさせてください。」


おまわり…それって…。
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