黒猫にkiss
「…れお」
「へ?」
女子だからこの名前は珍しいだろう
「れおだって言ってるんです!」
思わず声をあげた
嫌い
嫌い
嫌い
こんな名前。
ずっとずっと勘違いされて面倒で、だから私はいつもあんな演技をさせられたんじゃないか
"男"の名前である、あの演技を。
「あ、ゴメンゴメン。ね、メアド教えてよ」
もう!この人はなんなの!?
はやととか言ったけど、関係ない人は巻き込まないがルールだったんじゃないの!?
「ないです」
イライラしながらも丁寧に断った
「うっそだぁ。あとであげはちゃんに聞くよ?」
…あの怯えっぽりだと話してしまうだろう
「…今ここに携帯ないんです」
「あたしも…」
「んじゃあ、ここにメアド打って。送っとくー」
…しつこいんですけど
「俺達ルチアだって完璧じゃない。
そこを突かれれば今までのことが無になってしまう。
だからなるべく安全にしたから」
その真剣な顔に
私とあきなは顔を見合わせておずおずとメアドを打った
二人に何も起きませんよーに…
今更ながら大事なんだなぁと、感じだ。
よくわからない世界に放り込まれた気分
右も左もわからない
白と黒もわからない。