バケバケ2
「そう、カナリア。…久しぶりだね、エレジー。」
カナリアは俺の隣にいるエレジーの方を見る。
「そうね…」
「エレジー、お前このゴスロリのガキと知り合いなのか?」
エレジーは頷く。
「彼女は…私の姉よ…。」
「…姉?」
たしかに顔はエレジーによく似ているが…バケバケに血縁なんてないはず。
「もしかして…」
俺はエレジーと初めて出会った日のことを思い出した。
エレジーの元の姿である銀の鏡と一緒にあった、金の鏡…
「こいつもしかしてあの時の金の鏡…?」
「そうだよ。私は姉妹鏡の金色の方のバケバケ。」
あの時…
俺の家に強盗が入ったあの時…エレジーじゃない方の鏡、つまり金色の方の鏡は無くなってしまった。
まさかこんなところで会うなんて…
「その箱を俺に渡せ。」
「いや。」
「誰からその箱を渡されたんだ?お前の目的はなんだ。」