バケバケ2
「教えられないよ。でも、覚えておいた方がいい。」
カナリアはバケバケの表面を指でなぞる。
「君たちはまだバケバコの完成形を知らない。」
「…?」
トキとの戦いで、完成したバケバコは壊れたはずだ。
俺たちがバケバコの完成形を知らないとはどういうことだろうか。
「シグがトキに本物のバケバコを渡すと思う?」
「あのバケバコは偽物だったのか…」
「そう、あれは完成の一歩手前で完成し損ねた不良品。そして本物のバケバコはもうすぐ完成する。」
まだ終わりじゃなかった…?
かつて俺が作り出し、何人もの人を傷つけたあの箱は今だ生き続け、そして完成へと向かっている。
そしてきっとまた、多くの人々を傷つけるのだろう。
俺が…壊さなきゃ…。