はらり、ひとひら。


「ゴン、おいで。髪、結いなおしてあげるから」


ドレッサーの前に座らせて、紐を解くとふわりと髪が舞った。昨日シャンプーしたおかげで指どおりは最高だ。


「…アンズ」

「んー?」

手を止めずに、ゴンの声に反応する。


「前までは姉上が髪結ってくれてたんだ」


「ゴン、お姉さんがいたの?」


へえ。どんなひとだろう、ゴンにそっくりなんだろうか。


「ぜひ会いたいな」


笑って訊いてみるとゴンの首が下に沈んだ。



「でも、死んだ。おいらのせいで」


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