はらり、ひとひら。


シャーッ、とかフーッとかいきり立つ野良猫の喧嘩を目撃。朝から元気で結構だ。


一進一退の攻防を暫く繰り返していた彼らは、やがて体の小さい方が尻尾を巻くように逃げ帰って、戦いは終わりを告げた。


「お疲れ~」


勝者を称えようと、まるっとした三毛猫に手を伸ばすと引っ掻かれた。おぉ、元気だなあ。勝ち誇ったようにぷりぷり揺らす尻を見送って、手を振った。



時刻は寅の刻。午前四時過ぎ。今日は、どんな出会いがあるだろう。



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「もー待ちくたびれた。今朝は随分遅いじゃないかい、浅葱(あさぎ)。野暮用でも?」

「いや?いつも通り、面白いもの探しをしてたよ」


着流しを脱いで薄い白衣一枚になり、足をつけると冷たさが肌に伝わり気持ちいい。


「相変わらずひどいお人。アタシというものがありながら、切ないねえ」

「わ」


背中に思い切り圧し掛かられたあと、香の匂いが肺に広がってむせる。なんでいつも、こいつは無駄に香を焚き付けてるんだろうか。


「淡島」

「ン?」
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