はらり、ひとひら。


ぺらりと表紙をめくる。

一ページ目。

何やら達筆すぎて読めないが、幼いながらも多少漢字に覚えのある俺はなんとなく解読をした。


『来(きた)る日に備え、あの子たちのために、これを書き残す』
そんなふうに書かれていたと思う。


筆で書かれたその本は歴史の年表のようだった。今より少し前の年と月、起きる事柄がかなり克明に書かれている個所もあれば、大雑把に一言だけ記してあるところもあった。


「え、これ…日付が」

不思議なことに日付はページをめくればめくるほど、未来のものになっていた。しかし記述の中身の濃度は変わらない。


「そう。だから予言の書」


本当に。

ごくりと生唾を呑んだ。…信じられない。


何食わぬ顔で千鶴は頷いてみせると、ぱらぱらと本を捲った。


「これ見たら多分、本当って信じられるんじゃねえ?」

「え?」


指差された方の先にあったのは、父の命日の日付と、添えられた『神崎家13代目 逝去』の文字。

鳥肌が立った。

逝去、は知ってる。死ぬって意味だ。13代目は間違いなく父だ。しかも日付も全く同じ。


千鶴と陸がふざけて書いたとも思えない。大体この本は新品に見えないし、ところどころシミだってついてる。かなり年季が入ってる代物だ。


< 814 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop