はらり、ひとひら。
バチン!!! といきなり部屋が明るくなった。
懐中電灯の明かりではない。部屋の電気が付いたのだ。
驚いて振り向くとそこには、真っ赤な顔をしたお爺さん─宝生壽二さんが、仁王立ちしていた。
「くぉら!! 千鶴に陸ッ!! まあた書斎に入り込んで何やってんだがこの馬鹿モンがッ」
「うおぁっ!?」
「い゛っ…!」
それぞれの首根っこを引っつかむと、お爺さんは片手で二人を廊下へ放った。床に叩き付けられる音に思わず肩を竦める。
「悪戯ばぁりしよって!! 結界張って廊下通れんようにしたのは陸か!?」
「は、はい…ごめんなさい」
「千鶴お前が言い出したんだべ!!? ブザー止めたのもおめぇか!」
「ち、ちげえよ俺はただ〜…」
「言い訳すんじゃぁねえ!!!」
「イデッ!!」
ゴチン!! と千鶴は頭にげんこつを喰らった。素直に謝った陸は無傷で小さく「言い訳するから…」と哀れみの目で千鶴を見やった。
「またあの本持ち出したんか!? 触っちゃいけねえって何べん言ったらわかる!」
「ご、ごめんってじいちゃん~…」
本、とりあえず返した方がいいよね。
「すみません。俺も一緒に入ってしまって…ごめんなさい。これ、返します」