はらり、ひとひら。


「…俺もうろ覚えだけど。多分、椎名桜子さんは、椎名さん…椎名杏子の祖母だ」

「あの子の祖母が書いたってことかい? どうもインチキくさいね」

「だけど多分…本物なんじゃないかな」

信じがたいと言えばその通りだ。たまたまふざけて書いたものが当たっているだけなのかもしれない。


「だけど、そんな嘘っぱちの書物をわざわざ鍵をかけた部屋で保管する? しかも、この町一番大きい神社で」

「そりゃあ…そうだけど」


ううんと頭を悩ませた灯雅は思い出したように声をあげた。


「そんな大事な書物を仕舞っとく部屋に、子どもに簡単に破られる仕掛けをかけるってのはどうかと思うけどね」

「あはは。確かに」


千鶴兄さんたちは近所でも評判の悪ガキ双子だったからね。

でもあれから壽二さんは改めてあの部屋周辺を更に改築して、仕掛けも大掛かりなものに変えて、今では陸兄さんが部屋を守る番をしている。


「結末は見たのかい」


どきりと胸が鳴る。


未来の? と訊けば彼女は頷く。書き記された未来の、最後のページ。


「…見たよ」

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