はらり、ひとひら。
「本当かい? なんて書いてあった」
大して興味なさげな灯雅。きっと信じてないんだろう。無理もない。
だって未来を予知するなんてそんな、神じみた真似、人間ができるはず─
「…最後のページは、今より少し先の日付」
当時6歳だった俺には知らない名前。遠くの、知らない誰かの生涯がつづられていたその本。
だけど今は知っている。…わかる。誰よりもよく知っている、黒い髪の長いあの子─
書かれていた結末は簡単だった。
「椎名さんは死ぬ」
灯雅が目を剥くのがわかった。俺だって嘘であれ願っている。だけどこれが決められた未来だとしたら?
「馬鹿な…あの子はだって、まだ18だろう? それにあの狐がついてる。そんな結末…」
頷く。
現状、わからないことばかりだった。
だけど黙ってあの日を待つより何か行動を起こした方がいい。
桜子さんの予言が嘘にしろ本当にしろ、俺は彼女の約束された死が現実にならないためならなんだってすると誓った。