さらば、ヒャッハー
「そないな包帯の手なんか借りまへんわ。背中も向けられへん、信用もできない性悪と、同じ空気吸うのも嫌どす。――兄さん、もう行きますえ。あないな小悪党と一緒の部屋におったら、兄さんの体に毒なさかい」
「……、分かったわ」
ゴミ袋にしゃれこうべを入れて、手にとる秋月。一度、渉に頭を下げるも、冬月は見向きもせずに襖に手をかけようとしている。
「ふゆっきー、いいのぅ?襖、開けちゃって」
先ほどの藤馬の言葉を忘れたわけではあるまい。ならば、この襖を開けた途端に――
「……、ふっ」
「あ?」
「下らんわぁ、いるかもしれへんと思うからいるんやろ。なら、いないと思えばええこと。――兄さん」