さらば、ヒャッハー
蜘蛛切りの刀身は2尺7寸(約81cm)。それを持ってしても、まだ斬ったのが肉だけとは、もしかしたら野槌にはそも内臓らしいのがないのかもしれない。
異形には人間のルールなど通じない。溝出がそうであるように、あれもでたらめな体だ。骨だけで喋り聞き生きてと、それらの仕組みの公式など誰にも作られやしない。
ならばそんな異形を“どう殺す”のか。
「血ぃ出るんやから、斬っていけば終わるやろうし。地道に行こかぁ」
異形相手の退治屋は、できうる限りの殺害方法を思いつく。血とは生命源だ、流れているからには無意味ではなく生きるにあたって必要な液体。その一端がなくなれば、おおよそ無事であるとは思えない。
秋月の言うことにもっともだと冬月が頷くや否や、野槌との間合いを詰める。