さらば、ヒャッハー
「乙女の肌に傷つけんじゃねえぞ、ゴルアァァ!ひんむいて、釜ほりまくっぞ、おどりゃあぁぁ!」
のづっち崩壊。
ただの怖いおっさんになってしまった野槌が、剥き出しの歯で秋月たちに飛び付こうとした。
覆い被さる影に秋月は気づくも、冬月は痒みにより状況判断が鈍っている。
「冬月っ」
そこをフォローしたのは秋月だ。
先ほど冬月がしたように、今度は秋月が冬月の腕を引いた。
間一髪と言ったところか、真後ろで野槌が土を喰う。引いて走ったよりは、引いて飛んだような回避では野槌の突進の地鳴りに耐えかねて、体勢が崩れた。
倒れた両者、土で体を擦った程度でも、兄としての責務か、冬月を庇うようにした秋月は足首を捻っている。