さらば、ヒャッハー
それよりも野槌は、あの白彼岸花――常世に似た空気に懐かしさを馳せ、帰りたいと願い、同時に、“もしかしたら”とも思っただろう。
見ることもできなかった彼岸がこちらに、一部でも確かに現れたのだ。
手の届かない夢見ごとがすぐそこにあったさい、必ず心は思うのだ。
“届くかもしれない”と。
願えば願うほど、遠ければ遠いほど、諦めていたことがそこにあれば、夢が叶うと、気持ちが先走る。
もうそこにあるんだ。あの世界が、夢にまで見た世界が、帰ることが出来なかった故郷が、帰りたかったあの場所が。
そんな気持ちが野槌に帰れると思わせた。まだ結果は出ていない、経過としての性急にせよ――例え、1%でも信じれば、それは事実となる。