さらば、ヒャッハー


最初――渉と始めて出会った時に感じた、あのざわつき。


内面のずれから生じると思ったのは、渉からは“人間らしさ”が伝わってこなかったからだ。


人形と人間の違いのよう。人形が人の形をしているとすれば、渉は人間なのに人形を模倣する形に見えた。


心が、見えないんだ。


動くマネキンだった、秋月から見た渉というのは。


生きた心地がしないとは自身に覚える感情表現だが、秋月にはそれが渉に当てはまる。


どこか抜けているような、人間の枠組みからわざと外れ、自分たちから一歩身を引き、あちら側でこちらを遠巻きに眺めるような、そんな――寂しい少年だった。


人間味がない動くマネキンのような少年にざわつき――怖さと違和感を覚えたが、それはあの出来事で寂しさになる。秋月にとっての渉という少年の受け取り方が決定的に変わり、覆られた瞬間があったのだ。


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