さらば、ヒャッハー


『僕のことなら構いませんよ。ですが、僕の周りで“余興を作らないでいただきたい”』


そうして、『自分よりも周りが大切』だと、怒りを、感情を、心を、初めて見せた渉で思ったんだ。


――寂しい、と。


なんてことはない、渉は“ただの人間”だった。


そんなのは当たり前、でも秋月にマネキンと思わせるほどに“よく演じていた”んだ。


人形の模倣。心がなくせないから、せめてそれに近い形へと――心を隠すことにした少年。


なんでそんな真似をしたかなんて秋月には到底理由が分からないことでも、想いなら分かった。


『自分よりも周り』と言う以上、渉がやっていることは“そのこと”なんだろう。


心をひた隠しにして、周りから一歩身を引いて、たった一人で生きるはぐれ者のような。


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