さらば、ヒャッハー


それが藤馬だ。

そうして目下、その獲物として見られているのが渉。


昔の――会った当初にはあまり期待などしていなかったが、豚は太らしてから食べろらしく、生かしておいて正解だった。


とても、いい仕上がりになりつつあるじゃないか。


渉の心が浮き彫りになりつつあるのが楽しくて仕方がなかった。いつかは苦しみ泣いてくれるだろうと、その結果の手順を踏んでいるようで。


逆に、最初が“あんなで”良かったのかもしれない。無感情少年が幸せになり、そうしてその幸せ自体が不幸だと――死ぬ間際になって、未練となった幸福(人生)に気づく瞬間など、どういった悲痛を見せ、どんな悲劇をぶちまけるのだろうか。


考えれば考えるほど笑いが止まらない。


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