さらば、ヒャッハー
「性悪なお人やねぇ」
「ああ、それが的確です。性悪ですよ、本当に。やることなすこと全て、自分のためであって、必ず自分にメリットがあることしかやりませんから。大人としてどうなんだと言いたいところですが、それでも――いや、だからこそか」
見上げる夜空にはオリオン座。三つ並んだ星がちらつき、目に光を与える。
「最強です。僕が知る限りは、あの人に敵うモノなんかいない。この世界の住人である限り、あの人の前に立った以上、誰もが呪われますから」
朧気な星の残像を残した渉が目を擦る。
ぼやけから鮮明になる視界で後ろを見れば、双子は足を止めていた。
何で止まったかなど分りやすい。
「すみません、怖がらせるつもりはありませんでした。あの人を語るにはこうとしか言いようがないので」