さらば、ヒャッハー
どんなに強大でも、その魔法使いとて強大。
生きている奴らがすることなど、コマのぶつかり合いだとささやかに嘲笑うだろう。
話された魔法使いの全貌だが、そういえば名前は?と秋月が聞く辺りに、渉がいきなり進行方向を変えた。
前から左へ。
道路という道から外れた垂直線の先に進む渉だが、生え渡る木々の合間に階段があった。
境内へと続きそうな段が低く、いくつも連なる石段は山の中へと坂道を作る。
「この先です。足元、気をつけてくださいね」
段が低いために二段飛びで渉が行く。
階段の先、斜め上へと視線を流せば、山の中腹辺りから僅かな灯りが確認できた。
やっと出会えた民家の明かりにしろ、発光が弱く、色彩が淡い。提灯の光に近い灯りでも、渉が階段を上るからにはあそこに家があるということだろう。