さらば、ヒャッハー
肝試しで夜の神社に行く気分だった。
昼間は神聖だが、夜は薄気味悪さが伴う。
ますますもって、警戒が強くなる冬月たちだが、伊達に退治屋などやっていない。修羅場など刀で斬り伏せる。
そんな経験の糧から警戒しつつも進めた。
足を踏み外さないように石段に目をやる。草履から足裏に細かな小石が当たった。
夜の冷気と緑の青臭さが混じる。夜色と同化した利休色(りきゅういろ)が風でざわめき、幼子の夢に出てくるお化けとも思えた。
ある程度の歳を重ねた秋月たちにはただの木と気になどしないが――本物のお化けが階段に座っていた。
足元や木々にばかり気を払ったせいか、上目が疎かになっていた。