さらば、ヒャッハー
魔法使いの真似ながらも平坦な渉の顔は変わらない。
我が家の庭に勝手に風車を植えられて、何とも思っていないのか。もしくは、「何を言っても無駄だ」と魔法使いがやることを呆れ半分で容認しているらしい。
ただの風車でないのは、まったく同じ回り方から見て分かる。風は微弱ならばあるが、はしゃぐように旋回する羽と比べれば、ひどくちぐはぐに見えた。
「妖怪で、結構なもんは見とったんどすけどねぇ……」
風車で目が回ったわけではないが、秋月が狐面を側頭部に置いて、指先で目をほぐした。
何をしてもこの異様な光景は変わらない。風流も度が過ぎればやり過ぎにしかならず、現世のバランスが傾いた場所にも感じられた。