さらば、ヒャッハー
開けるなり、薄暗い廊下に部屋の明かりが漏れた。雲間の光でも浴びたように、僅かながらに渉が目を細め、中に入る家主に秋月たちも続くわけだが。
「よお、わたるん。邪魔してるぜぇ」
居間と思しき、八畳程の部屋の中央。こたつに入りながら、フランクに片手をあげて出迎える男がいた。
「あー、何日ぶりだっけ?一週間は経つよなぁ」
「四日ですよ。今年に入ってから、藤馬(とうま)さん、だいたい一週間に二回は来てますよ」
「そーだっけか。いやさ、それだけここは居心地いいんだよ。わたるんが死んだら、俺と奥さまの新居にするからさ、なに?下見ってやつ?」
「しすぎです」
「つれねーなー、わたるんよぅ。ま、仕方がねえか。老い先短けえわたるんは、俺になんか構いたくないってなー、ひでーなー」