さらば、ヒャッハー


今の溝出は動かない白骨体だ。有り体に言えば、死んだ人。

ゴミ袋という、いかにもな場所にあったにも関わらず、男は“まだ生きている”と断言した。


溝出が骨妖怪だと一言たりとも聞かずに知り、動かないわけを祟りと称す。


嘘をつかない渉が呪いとは言ったが、秋月たちには呪いも祟りも同じように思えた。どちらも、対象者に害ある時点で。


「そういや、あんたらの名前なに?」


聞きそびれたと男がしゃれこうべを見ながら言う。


問われたならば言うべきだが、呪いを行使する者に果たして、名前を教えていいものか。


名前で人を呪うとは容易に想像できるだろう。狐面で隠れている分、教えるべきかどうか秋月は睨み付けるように男を見定めた。


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